エクソソームとは
エクソソーム(Exosome)は細胞から分泌される直径50-150nm(ナノメートル:10億分の1メートル)の顆粒状の物質です。その表面は細胞膜由来の脂質、タンパク質を含み、内部には核酸(マイクロRNA、メッセンジャーRNA、DNAなど)やタンパク質など細胞内の物質を含んでいます。
エクソソームは細胞外小胞(Extracellular vesicle)の一種とされており、細胞外小胞にはエクソソームのほかにマイクロベシクル、アポトーシス小体があり、それぞれ産生機構や大きさが異なります。
エクソソームとは細胞から分泌される小さな顆粒状の小胞です。細胞から分泌される小胞のことを総じて「細胞外小胞」と呼びますが、エクソソームもその一種です。
エクソソームの働き
細胞間同士の連絡役
情報を壊さず、他の細胞へ届ける
エクソソームは損傷を受けた細胞に集まり、内包する遺伝子(メッセンジャーRNA)の働きで、
標的となる細胞が自力で回復できるように働きかけます。
マイクロRNAは非常に壊れやすく、そのまま細胞外に放出されるとすぐに分解されてしまいますが、
エクソソームが中に包み込んだ状態で、細胞の外へと袋のまま放出するので
大切な情報は壊れずに他の細胞へと無事に伝達することができます。
血管の若返りを促し
身体と脳のパフォーマンスを
最大限に引き出します
- 血管新生
- リンパ管
新生 - 抗炎症
- 免疫調整
- 細胞
修復促進 - 全身の
エイジング
ケア - 肌の老化
改善 - 薄毛改善
- 疾患予防
加齢とともに減少する幹細胞
私たちの体の中では、ケガや病気などで損傷した細胞や、老化した細胞を入れ替えるために、幹細胞が新たな細胞を生み出し、補充しています。
このような特殊な能力を持つ幹細胞は、生まれた時には60億個以上存在するものの、年齢とともに減少し、60代前後ではたった約1.5億個しかなくなってしまいます。
体内治癒力の源である幹細胞の減少や活動低下により、臓器の治癒や維持が難しくなっていき、不調を起こす原因になると言われています。
注意事項
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施術をお受けいただけない方
・悪性腫瘍治療中の方
・悪性腫瘍と診断され寛解から5年経過していない方 -
医師の指導が必要な方
既往歴、現病歴、手術歴、使用中・服用中のお薬(サプリメントを含め)について、妊娠・出産・授乳について、アレルギーについて、その他お体のことで心配なことがあれば事前に申告をお願いします。
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リスク・副作用
注入部位の一時的な痛み、皮下出血の可能性、およびアレルギー反応の可能性があります。
幹細胞療法
自分の幹細胞でいたんだ組織を
修復する究極の癒し
脂肪組織由来幹細胞による幹細胞療法では、少量採取した自身の腹部の脂肪から幹細胞を培養し、それを点滴や局所注射などで投与します。投与された幹細胞は、体内を巡り修復の必要な部位へと集まり、その組織を修復・再生。 傷つき老化した組織を修復する再生医療です。
幹細胞とは、自己複製能と多分化能という、特殊な能力を持つ希少な細胞の総称です。生体の中で損傷した組織の修復や、老化した組織への細胞補充の働きをおこなっており、難病の治療、健康増進や抗加齢医療など、さまざまな医学応用が研究されています。
自己複製能
自分と全く同じ能力を持った細胞を複製する能力
多分化能
骨・筋肉・皮膚・毛包・血管・神経・肝臓・膵臓など、からだをつくる様々な細胞に分化する能力
脂肪組織由来幹細胞とは
脂肪組織の中に、ごく少量だけ含まれる幹細胞、それが「脂肪組織由来幹細胞」です。
皮下脂肪を構成する脂肪細胞とは、まったく異なる細胞です。
間葉系幹細胞と呼ばれる生体内にもともと存在する幹細胞の一種であるこの脂肪組織由来幹細胞は、
非常にユニークな性質を持っています。
様々な疾患に対して高い治療効果があることが研究されており、
再生医療を担う高いポテンシャルを有する有望な幹細胞です。
- 免疫や炎症の異常を調節して、正常に戻す能力がある(免疫調節作用)
- 組織の損傷部位に集まる能力がある(ホーミング効果)
- 様々な機能性物質を分泌し、近隣の細胞に働きかける能力がある(パラクライン効果)
- 少量の皮下脂肪から幹細胞を分離できる
- 他の幹細胞と比べて、多くの数の幹細胞を採取できる
- 遺伝子操作などを要さず、発がんのリスクが非常に低い
幹細胞療法の手順
ご自身の腹部の脂肪を採取し、
その中から幹細胞を分離・培養して体に戻す治療です。
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腹部の脂肪を採取
お腹の皮下脂肪から、少量の脂肪組織を採取します。専門医により、臍部のごく小さな切開から脂肪吸引により採取するので、傷あとはほとんど目立ちません。
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幹細胞を培養する
細胞加工施設 (CPF ; Cell Processing Facility)において、厳密な管理のもと、脂肪組織由来幹細胞を分離、培養します。初回治療に必要な細胞数を確保するための培養期間は、およそ5週間です。幹細胞は凍結保存され、2回目以降の幹細胞投与は2週間の培養期間でおこなうことができます。
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幹細胞を投与する
治療目的に応じて、点滴や局所注射により脂肪組織由来幹細胞を投与します。再生医療提供計画を遵守したプロトコルで、再生医療を専門とする医師が安全管理のうえ施術をおこないます。
脂肪組織由来幹細胞による
治療の報告例
国内外の基礎研究・臨床研究において、さまざまな疾患に対する脂肪組織由来幹細胞の有効性が報告されています。
*当院では、更年期障害・慢性疼痛に対する点滴治療および、顔面の加齢性変化に対する局所注入治療の提供計画番号を取得しています。
- ・脳梗塞
- ・脳挫傷
- ・脊髄損傷
- ・多発性硬化症
- ・低酸素虚血性脳症
- ・パーキンソン病
- ・アルツハイマー型認知症
- ・ALS(筋萎縮性側索硬化症)
- ・ポリオ(小児麻痺)
- ・末梢神経障害
- ・慢性疼痛
- ・膝関節症
- ・腱損傷
- ・関節炎
- ・難治性の骨折
- ・掌蹠膿疱症
- ・アトピー性皮膚炎
- ・ざ瘡瘢痕(にきび痕)
- ・白斑症
- ・AGA(男性型脱毛症)
- ・その他の脱毛症
- ・心筋梗塞、狭心症
- ・動脈硬化
- ・末梢動脈疾患
- ・糖尿病
- ・慢性腎臓病
- ・肝臓病(肝炎、肝硬変、肝障害など)
- ・原発性胆汁性肝硬変
- ・肺気腫
- ・肺線維症
- ・慢性閉塞性肺疾患
- ・GVHD(移植片対宿主病)
- ・女性更年期障害
- ・男性更年期障害
- ・前立腺肥大症
- ・勃起障害
- ・尿失禁
- ・骨欠損
- ・骨粗しょう症
- ・歯周病
- ・乳がん術後(乳房再建)
- ・豊胸術
- ・新型コロナウイルス感染症
- ・抗加齢医療
(皮膚・血管などの若返りなど) - ・自己免疫性疾患
(関節リウマチ、全身性エリテマトーデスなど) - ・新型コロナウイルス感染症後後遺症
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考えうるリスク・副作用
脂肪組織採取に伴うもの
内出血、腫脹、術後感染、術後瘢痕など
幹細胞投与に伴うもの
注射部位の痛み、アレルギー反応、肺塞栓など